icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

症例報告

ワセリンの自己注入後に発症した陰茎部皮膚潰瘍の1例

著者: 井上義彦1 桃崎直也1 石井文人1 濱田尚宏1 黒瀬浩一郎1 安元慎一郎1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.37 - P.39

文献購入ページに移動
要約 22歳,男性.約1年前より,約100回にわたり陰茎部皮膚に市販のワセリンを注射器を用いて自己注入していた.約1か月前よりワセリン注入部の発赤と腫脹が出現し,潰瘍を形成したため受診した.初診時,陰茎部は発赤・腫脹し,壊死組織が付着する潰瘍を伴っていた.自発痛と圧痛を認めた.排尿障害や勃起障害はなかった.病理組織学的には,表皮直下から真皮全層に異物肉芽腫が形成され,大小多数の空胞様構造を伴う,いわゆるSwiss cheese appearanceが著明であった.潰瘍部を含め陰茎皮膚を一塊として可及的に切除し,再建として大腿部前面からの分層植皮術を施行した.術後,植皮片の一部は脱落したが,46日目には二次治癒し,排尿障害や勃起障害も認めなかった.

参考文献

1) Gersuny O: Z Heilkunde9: 1, 1900
2) 三好和夫, 他:日医新報2122: 9, 1964
3) 竹原和彦, 他:皮膚臨床27: 883, 1985
4) 文久正敏, 他:外科36: 1371, 1974
5) 千葉隆一, 他:臨皮泌18: 1251, 1964
6) 田村誠一郎:日泌尿会誌60: 1000, 1969
7) 鷹野晴彦, 他:臨泌30: 527, 1976
8) 荒瀬誠治, 他:皮膚臨床25: 1148, 1983
9) 和田恭子, 和田秀敏:皮膚臨床30: 173, 1988
10) 大木更一郎, 他:日美外報18: 95, 1996
11) 斎藤和哉, 他:皮膚臨床40: 119, 1998
12) 村上正洋, 他:日美外報21: 94, 1999
13) 坂本忠秀, 他:皮膚病診療24: 417, 2002
14) 稲福和宏, 他:日皮外会誌9: 78, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?