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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

症例報告

子宮円索に連続した鼠径部皮膚子宮内膜症の1例

著者: 田中京子1 藤本篤嗣1 山上淳1 杉浦丹1 寺田忠史2 福積聡3

所属機関: 1静岡市立清水病院皮膚科 2静岡市立清水病院病理科 3国家公務員等共済組合連合会立川病院形成外科

ページ範囲:P.53 - P.55

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要約 28歳,女性.初診の1年前より,月経時に増強する自発痛を伴う左鼠径部の皮下腫瘤を自覚していた.左鼠径部の径2cmの皮下腫瘤で,摘出時,腫瘤は鼠径管から続く索状物に付着していた.病理組織学的に,腫瘤は円柱上皮からなる多数の管腔構造と増生した間質から形成され,本症例を鼠径部皮膚子宮内膜症と診断した.索状物は解剖学的,組織学的に子宮円索と考えられ,腫瘤の付着部から切除断端まで連続的に子宮内膜組織を認めたことから,子宮内膜組織が子宮円索に沿って鼠径管内を移動した可能性が示唆された.皮膚子宮内膜症の発生機序を考えるうえで興味深い症例であると思われた.

参考文献

1) Steck WD, Helwig EB: JAMA191: 167, 1995
2) Masson JC: Trans West Surg Ass53: 35, 1945
3) 渡辺 元:皮膚臨床36: 676, 1994
4) Ichimiya M, et al: J Dermatol25: 333, 1998
5) Clausen I, Nielsen KT: Int J Gynaecol Obstet25: 469, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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