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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻1号

2007年01月発行

文献概要

症例報告

Mycobacterium abscessus皮膚感染症の1例

著者: 永田敬二1 前田元朗1 篠田勧1 米原修治2

所属機関: 1尾道総合病院皮膚科 2尾道総合病院病理部

ページ範囲:P.84 - P.87

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要約 24歳,女性.外傷などの誘因は特になく,左頬部に母指頭大のやや紫紅色の弾性軟皮下結節が出現した.ロキシスロマイシン内服で軽快せず,生検した.皮下より茶褐色調の膿汁の流出を認め,塗抹標本の抗酸菌染色でガフキー1号であった.ツベルクリン反応は弱陽性であり,胸部X線で異常所見はなかった.病理組織学的に巨細胞の出現を伴う類上皮性の肉芽腫性病変を認めたが,明らかな乾酪壊死を認めなかった.Ziehl-Neelsen染色で,赤染する抗酸菌が少数存在した.小川培地にて乳白色の表面平滑なコロニーを形成し,DNA-DNAハイブリダイゼーション法でMycobacterium abscessusと同定した.洗浄,ドレナージなどの外科的治療およびクラリスロマイシン400mg/day投与(約3か月間)で治癒した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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