icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻10号

2007年09月発行

症例報告

鎖骨骨折術後に生じたtoxic shock syndromeの1例

著者: 林裕嘉1 森布衣子1 木花いづみ1 内村英輝2 芦澤裕子3

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2平塚市民病院内科 3平塚市民病院整形外科

ページ範囲:P.781 - P.784

文献概要

要約 29歳,男性.交通事故で右鎖骨遠位端を骨折した.観血的整復術を施行し,経過良好であった.術後3週目より突然の発熱,全身の紅斑,眼球結膜充血,下痢,血圧低下,BUN/Crの上昇,軽度意識混濁,血小板低下が出現した.症状および急激な臨床経過より,toxic shock syndromeが疑われた.創部に明らかな感染徴候はなかったが,術創を局所麻酔下で切開し,創部スメアグラム染色でグラム陽性球菌が検出された.創部デブリードマン,抗生剤投与に加え,ヒト免疫グロブリン投与,持続血液濾過透析を施行し軽快した.自験例における発症時,軽快後の各種サイトカインの変動からも,本症に対する持続血液濾過透析の有用性が示唆された.

参考文献

1) Todd J, et al: Lancet2: 1116, 1978
2) Davis JP, et al: N Engl J Med303: 1492, 1980
3) Shands KN, et al: N Engl J Med303: 1436, 1980
4) Reingold AL, et al: Ann Intern Med96: 871, 1982
5) 名出瀬男, 枡岡正範:感染症14: 33, 1984
6) Marguerite C, et al: J Clin Microbiol3: 535, 1988
7) 木花いづみ, 荻原 通:皮膚病診療23: 1229, 2001
8) 大内 結, 他:臨皮60: 184, 2006
9) 中江 孝, 他:感染症学雑誌76: 195, 2002
10) 山田美奈, 他:皮膚臨床38: 141, 1996
11) 平澤博之:CHDFの理論と実践・各種疾患応用編, 総合医学社, p99, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら