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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻10号

2007年09月発行

症例報告

ステロイド局所注射による皮膚萎縮の2例

著者: 小坂素子1 青木見佳子1 森山マサミ2 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室 2森山皮膚科

ページ範囲:P.791 - P.794

文献概要

要約 症例1:43歳,女性.花粉症に対し,左上腕にステロイド皮下注射を受け,3か月後に注射部位の陥凹局面に気づいた.症例2:28歳,女性.腱鞘炎に対し,右手関節にステロイド局注を受けた.約2週後から注射部に萎縮が出現,近位側に向かって線状の萎縮が上腕まで進行した.2例とも病理組織学的所見は,脂肪細胞が全体に小型化,大小不同で不整形となり,脂肪細胞間にマクロファージの浸潤と毛細血管の増生も伴っていた.経過観察のみで消退傾向を認めた.症例1はステロイド局注による皮膚萎縮の典型と考えられたが,症例2は萎縮が線状に拡大する特異な臨床像を示した.ステロイド局注による線状の皮膚萎縮は,本邦では自験例を含めて6例の報告がある.

参考文献

1) 園田純子, 他:皮膚臨床44: 1091, 2002
2) 神野義行, 他:皮膚臨床40: 108, 1998
3) Ayres S Jr: Arch Dermatol90: 242, 1964
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6) 中島英貴, 他:西日皮膚58: 405, 1996
7) Jorgen I, Jorgen K: Acta Rheum Scand11: 137, 1965

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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