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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻10号

2007年09月発行

症例報告

亜急性壊死性リンパ節炎を契機に発症したSLEの1例

著者: 青田典子1 福原麻里1 平原和久1 塩原哲夫1 福岡利仁2

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部腎膠原病内科

ページ範囲:P.799 - P.802

文献概要

要約 36歳,男性.初診1か月前より全身倦怠感,頸部リンパ節腫脹を認めていたが,その約2週間後より39℃台の発熱とともに顔面,頸部,胸部に小豆大までの浸潤性紅斑が出現した.顔面の紅斑の組織では,毛囊上皮に液状変性を認めた.非露光部の健常皮膚でのループスバンドテストは陽性であった.リンパ節生検で好中球,ヘマトキシリン体の存在を欠く広範な壊死像がみられ,亜急性壊死性リンパ節炎(SNL)と診断した.リンパ節腫脹が出現した1か月前後より,汎血球減少と補体低下が急速に進行し,それとともに皮疹の著明な増悪がみられた.その後,尿蛋白量の増加と腎生検所見から,ループス腎炎と診断した.リンパ節腫大が先行し,それに遅れて全身性エリテマトーデス(SLE)の諸症状が顕在化してきたことから,SNLを契機に発症したSLEと考え,両者の関係について若干の考察を加えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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