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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻10号

2007年09月発行

症例報告

後頭部に生じたpilonidal sinus(毛巣洞)の1例

著者: 川上佳夫1 石川由華1 斉藤まるみ1 大塚幹夫1 中村晃一郎1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学大学院医学研究科機能制御医科学器官制御学領域皮膚・粘膜学講座

ページ範囲:P.816 - P.817

文献概要

要約 14歳,男児.1年前より右後頭部に脱毛斑が出現し,徐々に拡大,6か月前から排膿を認めた.近医で抗生剤内服による加療を受けたが改善がなかった.創部細菌培養は陰性であった.病変部を切開したところ,内腔は不良肉芽で覆われ,数本の毛髪が観察された.病理組織学的にリンパ球,好中球,形質細胞,異物巨細胞の浸潤からなる肉芽組織であり,pilonidal sinus(毛巣洞)と診断した.頭部に発症したpilonidal sinusの報告は自験例と本邦,海外の報告を含め5例あるが,そのうち4例が後頭部に発症しており,臥床時の摩擦などによる外的刺激が毛髪の穿孔機序に関与している可能性が示唆された.

参考文献

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8) 原田浩史, 長江浩朗:日形会誌22: 406, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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