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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻11号

2007年10月発行

文献概要

症例報告

顕微鏡的多発血管炎を合併した全身性強皮症の1例

著者: 田中摂子1 永井弥生1 清水晶1 遠藤雪恵1 周東朋子1 田村敦志1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.887 - P.890

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要約 77歳,女性.全身性強皮症(SSc)の診断から13年後にMPO-ANCA陽性を確認し,さらに3年後に紫斑の出現とともに急速な腎機能の悪化をきたした.紫斑の組織所見では真皮上層の小血管に壊死性血管炎がみられ,顕微鏡的多発血管炎(MPA)と診断した.また,経過中MPO-ANCA上昇時に一致して抗Sm抗体,抗SS-A抗体が陽性化した.ステロイドパルス療法およびシクロホスファミド併用にて症状は改善したが,その後,突然死亡した.原因は不明である.SScでは無症候性のMPO-ANCA陽性例もあるが,血管炎を示唆する症状の出現には十分な注意を払う必要がある.

参考文献

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5) Pettersson E, et al: Clin Nephrol37: 219, 1992
6) Ricouard CG, et al: Clin Nephrol39: 125, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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