icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻11号

2007年10月発行

文献概要

症例報告

タンポン使用を契機に発症したtoxic shock syndromeの1例

著者: 山口哲司1 星野洋良1 林裕嘉1 森布衣子1 木花いづみ1 齋藤優2 荻原通3

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2平塚市民病院産婦人科 3平塚市民病院内科

ページ範囲:P.891 - P.894

文献購入ページに移動
要約 34歳,女性.月経のためタンポン使用.4日目より発熱,全身に紅斑が出現した.5日目,薬疹の疑いで近医より転院搬送された際は血圧低下,意識混濁も認めた.toxic shock syndrome (TSS)を疑い,ただちに持続血液濾過透析を開始,抗生剤,IVIG投与を行った.腟内に感染徴候はなかったが腟培にて黄色ブドウ球菌を検出したため,腟洗浄も開始した.入院2日目より全身状態は著明に改善し,経過良好にて20日目退院した.検出された黄色ブドウ球菌はTSST-1,SE-C産生株であった.TSSは迅速な診断,治療の開始を要するが,薬疹との鑑別に苦慮する場合は詳細な問診,皮膚生検などが有用と考えた.また,当院での最近のTSS3症例について発症時の血清サイトカイン濃度を比較検討したところ,特にIL-6と重症度の相関が示唆された.

参考文献

1) Broome CV: Rev Infect Dis11: S14, 1984
2) Worf JE, Rabinowitz LG: Arch Dermatol131: 73, 1995
3) 玉置邦彦, 他:最新皮膚科学大系5, 中山書店, p47, 2004
4) 大内 結, 他:臨皮60: 184, 2006
5) 林 裕嘉, 他:日皮会誌117: 188, 2007
6) 水掫貴満, 他:整形外科51: 1318, 2000
7) 平澤博之:CHDFの理論と実践―各種疾患応用編, 医学書院, p99, 2001
8) 小高明雄, 村田宣夫:埼玉医大誌20: 321, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?