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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻11号

2007年10月発行

文献概要

症例報告

悪性黒色腫肝転移に対するシスプラチン肝動注により血小板減少と肝酵素上昇がみられた1例

著者: 峯垣裕介1 谷岡未樹1 松村由美1 是枝哲1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科

ページ範囲:P.908 - P.910

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要約 60歳台,女性.左上腕の数十年来の黒色斑が2年前より増大し,近医にて切除され結節型悪性黒色腫と診断された.当院へ紹介され,拡大切除術(stageⅡA,T3aN0M0,リンパ節郭清は行わず),およびDAV-Feron療法を3クール施行した.転移所見および尿中5SCD上昇はなかった.術後22か月後より尿中5SCDが上昇し,さらに2か月後にはFDG-PETとCTにて肝臓と腋窩リンパ節への転移が強く疑われた.DAV-Feron療法1クール後,腋窩リンパ節摘出とシスプラチン(CDDP)70mg/m2肝動注(TAI)を施行した.直後から重度の血小板減少と著しい血清中肝逸脱酵素上昇が生じたが,TAI後13日目には自然軽快した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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