臨床皮膚科61巻11号

2007年10月発行

症例報告

Human papilloma virus (HPV)60陽性であった指腹に生じた表皮囊腫の1例

著者： 芳賀貴裕¹ 奥山隆平² 江川清文³ 相場節也²

所属機関： ¹米沢市立病院皮膚科 ²東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 ³熊本大学大学院医学薬学研究科皮膚機能病態学

ページ範囲：P.911 - P.913

要約　57歳，男性．約30年前より調理師として働いている．6年前に，右手第Ⅰ指指腹に鶏眼様の皮疹が生じ，液体窒素による冷凍凝固術を施行された．1か月前から，同部が腫れ痛みを伴うようになった．表面に異常はみられず，皮下に結節を触れた．病理組織学的には，線維性の厚い被膜に覆われた表皮囊腫であった．in situ hybridizationでHPV60が陽性であることから，囊腫発生にHPV60が関与していることが示唆された．

参考文献

1) Egawa K, et al: Arch Dermatol126: 1599, 1990

2) 木村俊次, 他：臨皮51: 109, 1997

3) Egawa K, et al: Br J Dermatol143: 469, 2000

4) Egawa K, et al: Br J Dermatol132: 533, 1995

5) Egawa K, et al: Br J Dermatol138: 510, 1998