icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻12号

2007年11月発行

文献概要

症例報告

潰瘍性大腸炎にみられた多形滲出性紅斑の1例

著者: 新石健二1 伊部直之2 光戸勇1

所属機関: 1福井県立病院皮膚科 2福井県立病院消化器内科

ページ範囲:P.956 - P.959

文献購入ページに移動
要約 34歳,男性.2000年に発症した潰瘍性大腸炎で,2003年よりメサラジンの内服治療をしていた.腹部症状は,軽快と増悪を繰り返していたが,メサラジン内服量をコントロールすることにより対処していた.2006年12月より腹部症状が増悪し,それに伴い四肢に多形紅斑が出現した.メサラジンの内服を増量し,腹部症状は軽快したが,皮疹は拡大傾向を示し,眼瞼結膜の出血,四肢の浮腫,発熱を伴ったため,精査を行った.感染症や膠原病は否定的であり,結腸粘膜所見は潰瘍性大腸炎の活動期を示し,皮膚・粘膜症状と腹部症状が相関したことより,潰瘍性大腸炎に合併した多形滲出性紅斑と診断した.ステロイド内服により治療を開始し,皮疹をはじめとする身体症状は改善した.

参考文献

1) Podolsky DK: N Engl J Med347: 417, 2002
2) Danese S, et al: World J Gastroenterol11: 7227, 2005
3) 澤田俊夫, 他:厚生省特定疾患難治性炎症性腸管障害調査研究班 平成4年度研究報告書, p105, 1993
4) Veloso FT, et al: J Clin Gastroenterol23: 29, 1996
5) 杉浦光洋, 他:日皮会誌113: 1263, 2003
6) Sloan WP, et al: Gastroenterology16: 25, 1950
7) 多田正大:Medicina29: 729, 1992
8) 橋立英樹, 他:胃と腸32: 949, 1997
9) Lennard-Jones JE, et al: Lancet191: 188, 1965
10) 今村貞夫:日皮会誌101: 1451, 1991
11) Kokuba H, et al: J Invest Dermatol113: 808, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?