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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻12号

2007年11月発行

文献概要

症例報告

喉頭狭窄をきたした抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡の1例

著者: 満山陽子1 堀田隆之1 福田知雄1 早川和人1 塩原哲夫1 橋本隆2

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2久留米大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.975 - P.978

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要約 76歳,女性.初診の4か月前より口腔内にびらんが多発してきた.その後,嗄声の出現とともにびらんも徐々に増悪し,呼吸困難を伴ったため,当院へ救急搬送され気管切開後に入院した.口腔内のびらんと,声門上部の狭窄を認めた.口腔粘膜の組織所見で,上皮下に裂隙がみられ,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGが線状に沈着していた.免疫ブロット法で,ラミニン5に反応がみられ,抗ラミニン5型瘢痕性類天疱瘡と診断した.ベタメタゾン3mgにて軽快はみられたものの,減量に難渋した.本症は喉頭病変が起こりやすいため,しばしば気管切開が行われるが,病勢のコントロールが難しく,気管孔閉鎖ができずQOLが著しく低下する.喉頭病変が生じる前の,口腔,皮膚病変にとどまっているうちに診断確定し,治療を開始することが重要と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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