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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻12号

2007年11月発行

症例報告

皮下腫瘤を主訴に受診した乳癌の1例

著者: 竹村典子1 藤井紀和2 田中俊宏2

所属機関: 1東近江敬愛病院皮膚科 2滋賀医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.993 - P.995

文献概要

要約 67歳,女性.約3年前より自覚していた左腋窩前方の皮下腫瘤が徐々に増大してきた.初診時,左腋窩前方に3×3cm大の硬い皮下腫瘤を認めた.腫瘤表面に軽度の凹凸が存在するも,周囲組織との境界は明瞭であった.超音波検査にて真皮直下から筋膜上に,表面にわずかな凹凸を認める23.1×22.7×23.9mm大の低エコーの腫瘤を認めた.乳腺との連続性は明らかでなかった.ドップラーエコーにて内部に数か所著明な血流信号を認めた.MRIにて腫瘤は乳腺と連続性があり,T1強調画像で低信号,T2強調画像でやや低信号であった.腫瘤は針生検にて乳癌(充実腺管癌)と診断した.皮膚科医は,皮膚科を受診する可能性のある皮膚科領域以外の疾患,および表在性の臓器である乳腺の超音波検査所見にも精通する必要がある.

参考文献

1) 大畑恵之:Visual Dermatology3: 904, 2004
2) 柴田真一, 他:MB Derma79: 18, 2003
3) 帆足俊彦, 他:MB Derma79: 28, 2003
4) 山中麻里江, 他:皮膚臨床46: 1373, 2004
5) 薗部 陽, 他:西日皮膚66: 371, 2004
6) 中安慎二, 他:皮膚臨床47: 479, 2005
7) 大畑恵之:Visual Dermatology3: 940, 2004
8) 竹村典子, 他:臨皮60: 386, 2006
9) 角田博子:臨床放射線43: 1363, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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