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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

市中感染型MRSAによる皮膚軟部組織感染症に続発したprobable toxic shock syndromeの1例

著者: 若林俊輝1 義澤雄介1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1047 - P.1049

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要約 21歳,女性.初診1週間前から咽頭痛と微熱を認め,その後,頸部から始まり全身に拡大する皮疹と39℃台の発熱を認めた.ショック症状はなかった.顔面では落屑性紅斑,体幹・四肢では径1mmの小膿疱と混在する粟粒大の紅斑を播種状に認め,舌は赤色のイチゴ状を呈した.左腋窩には鳩卵大の皮下膿瘍を認め,エンテロトキシンB産生性MRSA感染が確認された.また,胸部CT検査では多発する結節陰影と胸水貯留が認められた.敗血症性肺塞栓症を合併したprobable TSSと診断し,スルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC)とシベレスタットナトリウム水和物により治療を行い,改善した.

参考文献

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12) 永武 毅:日内会誌92:2141, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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