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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

初診時に悪性リンパ腫が疑われた下口唇硬性下疳の1例

著者: 田村舞1 山上淳1 小菅治彦1 田中勝2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東京女子医科大学東医療センター皮膚科

ページ範囲:P.1054 - P.1056

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要約 35歳,男性.2か月前より生じた下口唇の結節と左頸部の腫瘤を主訴に来院した.下口唇の結節は径9mmで,中央部にびらんを伴っていた.左頸部には腫大したリンパ節を触れたが圧痛がなかったため,初診時に悪性リンパ腫を疑い,リンパ節生検を検討した.しかし,術前検査で梅毒血清反応が陽性を示し,病理組織学的に粘膜固有層全層に形質細胞を主体とした稠密な細胞浸潤を認めたため,陰部外下疳と診断した.アモキシシリン投与にて皮疹,リンパ節腫脹とも略治した.無痛性の頸部リンパ節腫脹を伴う口唇部の結節では,梅毒も念頭に置く必要性を再認識した.

参考文献

1) 大里和久:最新皮膚科学大系, 15巻, 中山書店, p210, 2003
2) 津上久弥, 大里和久:皮膚臨床34:1321, 1992
3) 鈴木政美, 他:耳喉頭頸72:852, 2000
4) 熊本悦明, 他:感染症誌12:32, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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