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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

TNF-α阻害薬による真性皮膚結核の1例

著者: 浅野祐介1 狩野葉子1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1057 - P.1060

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要約 73歳,女性.関節リウマチ(RA)に対し,tumor necrosis factor (TNF)-α阻害薬を使用した.約3か月後より,38℃の発熱とともに左前腕に蜂窩織炎様の症状が出現した.その後,同部位の中央は自壊し,皮膚生検・抗酸菌培養・PCR検査により,皮膚結核と診断し,抗結核療法にて軽快した.TNF-α阻害薬は難治性のRAやCrohn病(CD)に対し非常に高い有効率を示し,使用頻度が増している薬剤である.一方,抗TNF-α阻害薬使用患者では結核の発症率が有意に高いことが指摘され,しかも自験例のように高熱や強い炎症症状を伴うなど,非典型的な症状を呈しやすい.今後TNF-α阻害薬使用患者が多くなるにつれて,非典型的な皮膚結核が増加していく可能性がある.

参考文献

1) Maini R, et al:Lancet354:1932, 1999
2) Reich K, et al:Lancet366:1333, 2005
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6) 松本智成:臨床リウマチ18:24, 2006
7) Shelburne SA, et al:AIDS Rev5:67, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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