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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

軀幹を中心に間擦部にも紫斑を呈したパルボウイルスB19感染症の1例

著者: 田村舞1 舩越建1 植田晃史1 諏訪部寿子1 五味博子1 川久保洋1 大嶋寛子2

所属機関: 1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科 2帝京大学ちば総合医療センター小児科

ページ範囲:P.1061 - P.1063

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要約 7歳,女児.初診の4日前に頸部,両腋窩部,側腹部,両下肢に軽度の掻痒感を伴う紅斑と紫斑が出現した.近医で抗アレルギー薬およびステロイド外用薬にて加療されたが,その3日後に39℃台の発熱を認めたため,来院した.大腿後面の紫斑性丘疹の病理組織学的所見では,真皮血管周囲性のリンパ球を主体とする細胞浸潤と赤血球の血管外漏出,血管内皮細胞の膨化が認められた.蛍光抗体直接法では,免疫グロブリンの沈着はなく,C3は一部の血管壁に沈着していた.白血球および血小板が減少しており,抗ヒトパルボウイルスB19IgM抗体は,皮疹出現後5日の時点では陰性であったが,9日目には高値を示した.四肢間擦部の紫斑を呈したときもHPV B19感染症を考慮する必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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