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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

96%小児広範囲熱傷例に対する瘢痕拘縮形成術の経験

著者: 鳥谷部荘八1 今井啓道1 藤山幸治1 館正弘1 山田敦1 澤村武2

所属機関: 1東北大学病院形成外科 2みやぎ県南中核病院形成外科

ページ範囲:P.1068 - P.1070

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要約 適切な四肢のリハビリテーションと2回の瘢痕拘縮形成術を行った96%小児広範囲熱傷症例を経験した.一般的に熱傷後瘢痕拘縮においては,拘縮解除の皮膚欠損に対して,植皮術を要することが多い.本症例のごとく高度広範囲熱傷症例においては,恵皮不足が大きな問題になる.しかし,早期リハビリテーションと可能な限りリハビリテーションを妨げないような手術を行うことにより,関節拘縮を予防し,機能低下は現在のところ認められない.現在本邦では,広範囲熱傷に対して同種皮膚移植を中心とした植皮術によって,救命率は以前に比べ高いものとなった.しかしながら,救命後の諸問題,特に瘢痕拘縮解除後の皮膚欠損部への恵皮不足が,今後の熱傷治療の課題であると,本症例を通じて改めて明らかとなった.

参考文献

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14) Gibson KS, Bartlett RC:Pediatric Plastic Surgery, Mosby, ST. Louis, p8, 1984

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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