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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

シリカ肉芽腫の1例

著者: 西井倫子1 尾本陽一1 高木恵美子1 黒川一郎1 水谷仁1 西村啓介2

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室 2三重大学医学部病理部

ページ範囲:P.1075 - P.1077

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要約 35歳,女性.28年前に転倒し,前額部を打撲し瘢痕治癒した.1か月前より瘢痕部に自覚症状のない38×25mm大,皮膚との可動性良好で,境界明瞭,弾性硬,表面平滑な皮下腫瘤が出現した.腫瘤中央部の生検では真皮中層から深層の非乾酪性類上皮肉芽腫で多核巨細胞を中心に周囲に組織球浸潤が認められた.肉芽腫内にガラス状の光沢を有する不整形の物質が多数確認でき,それらは偏光顕微鏡では重屈折性を示した.自験例はシリカ肉芽腫と診断したが,病理組織学的・臨床所見よりサルコイドーシスと鑑別が重要であった.

参考文献

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9) Frank R, et al:Eur J Dermatol3:304, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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