icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

放射線被曝後に生じた多発基底細胞癌の3例

著者: 戸田さゆり1 橋本康志1 水野寛1 高路修1

所属機関: 1県立広島病院皮膚科

ページ範囲:P.1081 - P.1084

文献購入ページに移動
要約 症例1:66歳,男性.広島市内で原子爆弾に被爆後48年を経過して,顔面に基底細胞癌(BCC)が多発した.症例2:71歳,男性.同様に広島市内で原子爆弾に被爆後52年を経過して,顔面・軀幹にBCCが多発した.症例3:81歳,女性.子宮癌に対する放射線療法の36年後に,照射部位にBCCが多発した.放射線被曝後のBCCは,近年報告が増加しており,照射線量の比較的少ない場合に長期の潜伏期間を経て生じる.自験3例においても,放射線被曝が腫瘍発生の誘因となっていると考えた.被曝歴のあるBCC症例では,複数か所に発生する可能性を考え,注意深く経過観察する必要があると考えた.

参考文献

1) 石原和之:Skin Cancer9:80, 1994
2) 若森 健, 他:皮膚の科学2:94, 2003
3) 岡崎美智治, 他:西日皮膚44:824, 1982
4) 貞森直樹, 他:西日皮膚52:71, 1990
5) 貞森直樹, 他:西日皮膚52:86, 1990
6) Lazar, et al:Arch Dermatol88:172, 1963

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?