文献詳細
症例報告
文献概要
要約 症例1:66歳,男性.広島市内で原子爆弾に被爆後48年を経過して,顔面に基底細胞癌(BCC)が多発した.症例2:71歳,男性.同様に広島市内で原子爆弾に被爆後52年を経過して,顔面・軀幹にBCCが多発した.症例3:81歳,女性.子宮癌に対する放射線療法の36年後に,照射部位にBCCが多発した.放射線被曝後のBCCは,近年報告が増加しており,照射線量の比較的少ない場合に長期の潜伏期間を経て生じる.自験3例においても,放射線被曝が腫瘍発生の誘因となっていると考えた.被曝歴のあるBCC症例では,複数か所に発生する可能性を考え,注意深く経過観察する必要があると考えた.
参考文献
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