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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

症例報告

足底に生じたBowen病の1例

著者: 本間英里奈1 青柳哲1 保科大地1 秦洋郎1 柴田雅彦1 松村哲理2 清水宏1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野 2斗南病院皮膚科

ページ範囲:P.1085 - P.1088

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要約 38歳,男性.3年前に小黒色斑が出現し徐々に増大したため,受診した.右足底にわずかに隆起する11×7mm大の黒褐色病変を認めた.臨床的に悪性黒色腫や色素性病変を疑った.ダーモスコピー所見ではscaly surface,small brown globules,homogeneous pigmentationを認めたほか,一部にparallel ridge patternを認め,悪性黒色腫と鑑別を要した.全摘後の病理組織では,表皮細胞の極性の乱れと表皮全層にわたる異型表皮細胞の増殖,多数の異常角化,核分裂像,clumping cellsを認め,典型的なBowen病の像を呈した.足底において黒褐色病変を診た際,Bowen病も念頭に置いて鑑別すべきと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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