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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

文献概要

今月の症例

尋常性乾癬の皮疹上に生じたLaugier-Hunziker-Baran症候群の1例

著者: 岡本奈都子1 山本瑞枝1 白銀康祐1 森脇真一2 尾崎元昭3

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院皮膚科 2浜松医科大学光量子医学研究センター光環境医学研究分野 3国立療養所長島愛生園皮膚科

ページ範囲:P.117 - P.120

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要約 58歳,男性.40歳頃,尋常性乾癬を発症した.47歳頃より指腹・口唇・口腔粘膜に黒褐色斑,爪甲に色素線条が多数出現した.同時期より,乾癬の皮疹上に一致して同様の色素斑が多発するようになった.指腹の黒褐色斑の病理組織像では,表皮基底層にメラニンが増加し,真皮上層にメラノファージが散見していた.また,右下腿の浸潤性紅斑上に生じた黒褐色斑の病理組織像においても,尋常性乾癬の組織像の中に同様の変化を認めた.消化管ポリープはなく,本症例を尋常性乾癬の皮疹上に生じたLaugier-Hunziker-Baran症候群と診断した.発症には乾癬の炎症や掻破などの外的刺激の関与が推察された.

参考文献

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13) McKenna KE, et al: Dermatology189: 297, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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