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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

文献概要

症例報告

梅による口腔アレルギー症候群の1例

著者: 北畑裕子1 岡田知善1 鈴木啓之2

所属機関: 1春日部市立病院皮膚科 2日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.132 - P.134

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要約 53歳,女性.モモ,梅,グレープフルーツの摂食でアレルギー歴がある.黒酢に漬けた梅を摂食した直後より,全身に膨疹が出現し,次いで呼吸困難と血圧低下もみられ当科を受診した.サクシゾン®の点滴と酸素投与で症状は速やかに消退した.IgE RASTではリンゴ,オレンジ,シラカンバ,ヒノキが陽性であった.プリックテストでは梅(黒酢漬け),梅干,モモ,リンゴ,オレンジで陽性であった.黒酢は陰性であった.既往に梅以外のバラ科の果実でもoral allergy syndrome (OAS)を生じており,花粉症もあるため両者の共通抗原により生じたOASと考え,検討した.

参考文献

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11) 石田 孝:医学のあゆみ209: 161, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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