icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

症例報告

感染を契機に全身に汎発化したHailey-Hailey病の1例

著者: 岩﨑純也1 三重野英樹1 武藤潤1 小松威彦1 黒田啓1 多島新吾1

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学

ページ範囲:P.147 - P.150

文献概要

要約 73歳,男性.40年前よりHailey-Hailey病に罹患し,腋窩部・鼠径部の皮疹に対しステロイド外用薬を使用していた.2005年3月末より高熱とともに体幹から両上下肢にかけて膿疱を混じる角化性紅斑が出現した.腋窩・鼠径部に悪臭を呈するびらん・亀裂を伴う局面もみられた.3日間アジスロマイシン500mg/日を内服したが,その2日後に紅皮症化した.4か所の皮膚生検所見は表皮基底層直上から表皮上層にかけての棘融解と表皮裂隙中の好中球の集簇を認めた.これらの所見から,汎発化したHailey-Hailey病に敗血症を合併したと考えられたため,ペントシリン®主体の抗菌薬加療を行ったところ,皮疹および全身症状の軽快をみた.

参考文献

1) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系, 第6巻, 中山書店, p206, 2002
2) 福井次矢, 他:ハリソン内科学, 第15版, メディカルサイエンスインターナショナル, p828, 2003
3) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系, 第14巻, 中山書店, p102, 2002
4) Chave TA, Milligan A: Clin Exp Dermatol27: 290, 2002
5) Wolfgang CH, et al: Br J Dermatol99: 553, 1978
6) Loewenthal LJA: Arch Dermatol80: 318, 1959
7) Burns RA, et al: Arch Dermatol96: 254, 1967

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら