臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

症例報告

皮膚病変から診断しえたPOEMS症候群の1例

著者： 佐久間優¹ 水谷建太郎¹ 渡辺大輔¹ 玉田康彦¹ 松本義也¹ 三浦和久² 原一夫³

所属機関： ¹愛知医科大学皮膚科学教室 ²愛知医科大学血液内科学講座 ³愛知医科大学病院病理部

ページ範囲：P.151 - P.154

要約　64歳，男性．3年前より両下肢にしびれと浮腫が出現し，その1年後より胸腹部・前腕・大腿・手指に暗紅色丘疹が多発してきた．腹部よりの生検にて真皮内に拡張した血管が増生し，拡大した管腔内に乳頭状に毛細血管の増生したglomeruloid hemangioma (GH)を認めた．また，間質細胞の胞体内には好酸性粒状物質が散在していた．精査により多発神経炎，肝脾腫，M蛋白血症，多毛，白色爪甲などの皮膚症状を認め，POEMS症候群と診断した．POEMS症候群にみられる皮膚病変のなかでもGHは特異的であり，その診断的価値が高いと思われる．

参考文献

1) Bardwick PA, et al: Medicine59: 311, 1980

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