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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

文献概要

症例報告

塩酸ミノサイクリンが有効であった蛇行性穿孔性弾性線維症の1例

著者: 日高良子1 西村啓介1 袴田新1 磯田憲一1 黒川一郎1 水谷仁1

所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科皮膚医学分野

ページ範囲:P.155 - P.157

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要約 30歳,男性.Down症.21歳より四肢伸側に無症候性皮疹が出現し,徐々に拡大した.初診時,四肢の伸側に半米粒大の角化性丘疹が線状,馬蹄状から環状に配列し,その周囲に紅斑をめぐらし手掌大の局面を形成していた.丘疹に囲まれた中心部は網目状に萎縮し,色素沈着と軽い瘢痕局面を形成していた.丘疹の病理組織像は表皮構造に取り囲まれた真皮上層部の好塩基性凝集塊で,蛇行性穿孔性弾性線維症(EPS)と診断した.塩酸ミノサイクリン内服により,丘疹,紅斑は色素沈着となり,良好な結果が得られた.蛇行性穿孔性弾性線維症について発症機序,治療中心に若干の考察を加え報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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