icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

文献概要

症例報告

舌潰瘍から診断された多発性骨髄腫に伴う全身性アミロイドーシスの1例

著者: 影山葉月1 島田信一郎2 谷岡書彦2 古谷隆一3

所属機関: 1磐田市立総合病院皮膚科 2磐田市立総合病院臨床検査科 3磐田市立総合病院内科

ページ範囲:P.162 - P.165

文献購入ページに移動
要約 76歳,女性.多発性骨髄腫に罹患中,舌潰瘍を生じ,病変部の精査から全身性アミロイドーシスと診断され,診断後約1年6か月で死亡した.舌潰瘍部の病理組織標本において粘膜下層を主体に,また死亡後の剖検でも多数の内臓臓器で顕著なアミロイド沈着が認められた.原発性および多発性骨髄腫に合併するアミロイドーシスでは,平滑筋・横紋筋,血管壁,結合組織をはじめとする間葉系組織が侵されやすいが,自験例の剖検においても同所見であった.また,自験例のように他の皮膚変化に乏しいアミロイドーシスでは,消化管と連続し同様の病態を呈している舌病変を見逃さないことが特に重要と考えられた.

参考文献

1) 喜田洋子, 他:皮膚33: 15, 1991
2) Nodl F, Zaum H : Arch Klin Exp Derm220: 393, 1964
3) 勝岡憲生:最新皮膚科学大系, 第17巻, 中山書店, p218, 2002
4) 栗栖幸恵, 他:皮膚臨床35: 1461, 1993
5) 宮崎忠彦, 他:最新医学28: 801, 1973
6) 松崎博充, 他:日本臨牀49: 753, 1991
7) 菊池 新, 他:臨皮47: 593, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?