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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻2号

2007年02月発行

症例報告

ネコから感染したMicrosporum canisによる体部白癬の母子例

著者: 角谷廣幸1 角谷孝子1 望月隆2

所属機関: 1あいおい皮膚科クリニック 2金沢医科大学環境皮膚科学部門

ページ範囲:P.182 - P.185

文献概要

要約 ネコを飼い始めてから,6歳女児の右胸部と35歳母親の右腋窩に落屑性紅斑が1個ずつ生じた.母親の皮疹のみ軽度の痒みを伴った.母子の落屑のKOH法では,それぞれ菌要素が多数密集してみられた.ネコでは全身に落屑を伴う脱毛斑が多発して,その脱毛斑辺縁の体毛より白癬菌が分離された.母子,ネコから分離された菌は3例とも形態学的所見とPCR-RFLP法の所見と合わせてMicrosporum canisと同定した.母子ともにネコから感染したと考えた.M. canis感染による白癬は近年減少傾向にあるといわれているが,顕著な減少傾向はみられないという地域もあり,また多彩な臨床症状を呈するので,日常診療において,なお注意が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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