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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻3号

2007年03月発行

症例報告

糖尿病と肝硬変・肝細胞癌患者にみられた後天性反応性穿孔性膠原線維症の1例

著者: 松井矢寿恵1 山本都美1 坪井廣美1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター皮膚科

ページ範囲:P.221 - P.223

文献概要

要約 76歳,男性.52歳より2型糖尿病に罹患し,インスリンの投与でコントロールされていた.75歳時,C型肝炎に伴って肝細胞癌を発症し,同時期より体幹に皮疹が出現,拡大した.初診時,全身皮膚の黄染・腹部膨満がみられ,両肩から上腕・上背部には小豆大までの,褐色の痂皮が付着する病変が散見された.病理組織所見では,経皮排出像を認めた.塩酸ミノサイクリンの経口投与開始から7週後に皮疹は軽快した.自験例は糖尿病と肝細胞癌を基礎にもつ後天性反応性穿孔性膠原線維症(ARPC)の症例であった.ARPCは糖尿病患者に多く発症し,時に肝硬変・肝細胞癌にも合併する.自験例においてはその両者のARPC発症における関与を考えた.

参考文献

1) Mehregan AH, et al: Arch Dermatol96: 277, 1967
2) Faver IR, et al: J Am Acad Dermatol30: 575, 1990
3) Marek A, et al: Med Sci Monit8: RA145, 2002
4) Wang H, et al: World J Gasteroenterol11: 1929, 2005
5) 設楽篤幸:臨皮29: 749, 1975

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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