文献詳細
症例報告
文献概要
要約 29歳,男性.7年前,両手掌,足底の皮疹にて梅毒を指摘され,駆梅療法の既往がある.2005年4月,水痘のため当科に入院した.入院時の梅毒定性検査でRPR,TPHAともに陽性であった.HIV検査は希望せず,未施行である.梅毒を思わせる皮疹や脱毛を認めないが,梅毒定量検査にてガラス板法256倍,TPHA法20,480倍と異常高値を呈した.同年5月よりベンジルペニシリンベンザチンの内服を開始した.2006年1月,肛門周囲の腫瘤を主訴に再診した際,生検から尖圭コンジローマと診断された.HIV検査施行により,HIV抗体(EIA法)陽性で,HIV-1抗体(Western Blot法)も陽性であり,CD4陽性T細胞数180/μl,CD4/CD8比0.2と低下を認め,HIV感染症と診断した.
参考文献
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