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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

症例報告

皮下結節を主訴とした全身性強皮症の1例

著者: 片田桐子1 橋本姿惠1 永井弥生1 石川治1 北畠雅人2

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学 2北畠ひふ科医院

ページ範囲:P.315 - P.317

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要約 44歳,女性.右足底の圧痛あるしこりを主訴に近医を受診し,皮膚硬化を指摘され,当科を紹介された.両手掌および右足底に小指頭大までの硬い皮内から皮下の結節があり,圧痛を伴っていた.手指から前腕,顔面に皮膚硬化がみられ,limited cutaneous typeの全身性強皮症と診断した.四肢X線で手足部および前腕に複数の皮下石灰沈着がみられた.皮下石灰沈着は強皮症における主要な皮膚所見の1つであるが,比較的晩期に生じる症状であり,X線検査で初めて指摘されることも多い.自験例は皮膚硬化を自覚しておらず,比較的大型の皮下結節を主訴として受診し,診断に至った1例であった.強皮症における皮下石灰化病変につき,若干の文献的検討を加え,報告した.

参考文献

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12) Yoshida S, et al: J Rheumatol20: 1233, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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