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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

症例報告

タクロリムスが有効であったsclerodermatous chronic GVHDの1例

著者: 冨田幸希1 加藤直子1 夏賀健1 氏家英之1 笠井正晴2

所属機関: 1国立病院機構北海道がんセンター皮膚科 2札幌北楡病院内科

ページ範囲:P.318 - P.321

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要約 41歳,女性.1999年8月(35歳時)急性骨髄性白血病(AML)を発症した.化学療法施行後,2000年9月に非血縁者間同種骨髄移植(allo-BMT)を受けた.完全寛解に至ったが,急性および慢性移植片対宿主病(GVHD)を併発した.移植2年半後から肘窩に萎縮性硬化性局面が出現し,主として間擦部に拡大した.頸部,躯幹,上腕に皮膚硬化と関節の可動制限を伴った.病理組織学的に膠原線維の増生がみられた.抗核抗体は80倍と陽性,その他の自己抗体は陰性であった.sclerodermatous chronic GVHDと診断した.プレドニゾロンとシクロスポリンに加え,2005年5月からエトレチナートを開始したが,皮膚硬化の著明な改善は認められなかった.その後,ミコフェノール酸モフェチルを開始し,さらにタクロリムスを追加したところ,皮膚硬化と関節の可動制限の改善が認められた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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