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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

症例報告

下肢に多発した痛風結節の1例

著者: 新石健二1 梅原康次1 海崎泰治2 光戸勇1

所属機関: 1福井県立病院皮膚科 2福井県立病院病理科

ページ範囲:P.339 - P.342

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要約 58歳,女性.血清尿酸値が高値で,52~54歳時までアロプリノールの内服治療を行った.53歳時に慢性腎不全のため持続携帯式腹膜透析療法(CAPD)を開始した.57歳頃より,下肢に皮下結節が多数出現したため,受診した.下肢伸側・屈側に米粒大の皮下結節が多数存在し,皮膚表面に褐色の色素沈着を伴うものもあった.病理組織学的に,皮下組織内に金平糖状の褐色針状結晶構造を取り囲む異物肉芽腫が認められた.肉芽腫の一部には骨化や出血を認めた.血清尿酸値高値であり,deGalantha染色で,針状結晶は尿酸塩結晶と判明した.その後,関節の腫脹・疼痛を生じ,アロプリノールの内服治療を開始,血清尿酸値は低下し,経過は良好である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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