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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

症例報告

潰瘍性大腸炎に伴った肉芽腫性変化を示す小葉性脂肪織炎

著者: 志賀建夫1 横川真紀1 宮本敬子2 上田弘2

所属機関: 1高知県立幡多けんみん病院皮膚科 2高知県立幡多けんみん病院消化器科

ページ範囲:P.346 - P.349

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要約 43歳,女性.腹痛,下痢,下血とともに発熱および関節痛が出現し,両肘,両下肢に圧痛を伴う紅斑が生じた.結節性紅斑と考え,ステロイドの全身投与を行い,いったん軽快傾向を示したが,ステロイドの漸減とともに再燃した.皮疹部の病理組織像で小葉を主体とする脂肪織炎と肉芽腫性変化を認めた.炎症性腸疾患の存在を疑い,大腸ファイバーを施行し,潰瘍性大腸炎と診断した.潰瘍性大腸炎の治療薬であるメサラジンの開始にて,皮疹を含め症状はすべて速やかに消退し,ステロイドの漸減後も症状は再燃していない.潰瘍性大腸炎に伴う皮疹として特異な病理組織像を呈したと考えた.

参考文献

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11) 山本俊幸, 他:皮膚臨床38: 1786, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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