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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

症例報告

酵素補充療法を試みたFabry病の1例

著者: 林美穂1 日置加奈1 遠渡舞1 米田和史1 山田鉄也2 鷹津久登3

所属機関: 1岐阜市民病院皮膚科 2岐阜市民病院中央検査部 3中濃厚生病院内科

ページ範囲:P.350 - P.352

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要約 23歳,男性.母方の祖母の妹2人が心Fabry病.小児期より上肢の疼痛発作,頭痛,発汗低下,体幹に多発する暗赤色丘疹を自覚していた.下肢の疼痛が出現し,当院内科を受診した.体幹の皮疹について被角血管腫を疑われ,当科を紹介された.体幹に黒色~暗赤色の自覚症状のない粟粒大の小丘疹が多発し,病理組織では真皮乳頭層に毛細血管の拡張を認め,被角血管腫と診断した.電顕的に真皮血管内皮細胞内に層状の高電子密度の顆粒が多数みられた.血液検査にて白血球中のαガラクトシダーゼAの酵素活性が0.8nmol/mg protein/hと低値であり,Fabry病と診断した.酵素補充療法にて治療を開始した.これにより,皮疹の変化はみられていない.

参考文献

1) 成田一衛, 他:神経内科62: 56, 2005
2) Anderson W: Br J Dermatol10: 113, 1898
3) Fabry J: Arch Dermatol Syph43: 187, 1898
4) 稲宮和美, 他:皮膚病診療23: 139, 2001
5) 衛藤義勝:神経内科62: 44, 2005
6) 衛藤義勝, 他:小児科診療8: 1437, 2003
7) 増子真理, 他:皮膚臨床46: 2015, 2004
8) 藤原優子, 他:神経内科62: 49, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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