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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻5号

2007年04月発行

特集 最近のトピックス2007 Clinical Dermatology 2007

1. 最近話題の皮膚疾患

白人のbasal cell carcinoma

著者: 佐藤佐由里1 岡島加代子1 松木裕貴1 水嶋淳一2 大槻マミ太郎3

所属機関: 1順和会山王病院皮膚科 2イデリアスキンクリニック代官山 3自治医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.21 - P.24

文献概要

要約 Basal cell carcinoma (BCC)は,日本人では高齢者の顔面に好発する皮膚悪性腫瘍で,黒褐色の小結節を伴うが,白人の場合,必ずしもそうではなく,臨床診断に苦慮することがある.当科では白人のBCCを2003年より10例経験した.日本人と白人の臨床像および患者背景の違いについて考察する.当院の症例は,皮膚色から淡紅色の局面あるいは結節を呈した.年齢は30~40歳台が8例であった.部位は多発例が2例あり,顔3個,体幹7個,上肢2個であった.臨床像からは日光角化症,Bowen病,脂腺増殖症との鑑別を要したが,ダーモスコピーで樹枝状血管が認められ,診断に有用であった.白人のBCCは日本人の場合よりも発症年齢が若く,黒色の小結節を伴わない臨床像を呈することから,臨床診断のみでの確定は困難な場合があり,ダーモスコピーの活用と病理検査が重要と考えた.

参考文献

1) 小野友道:最新皮膚科学大系12, 中山書店, p82, 2002
2) Fitzpatrick TB, et al: Dermatology in General Medicine, McGraw-Hill Inc, New York, p840, 1993
3) 矢口 厚, 他:皮膚病診療23: 163, 2001
4) 小野友道:Visual Dermatology3: 1148, 2004
5) 斎田俊明, 他:カラーアトラス Dermoscopy, 金原出版, p16, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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