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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻5号

2007年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2007 Clinical Dermatology 2007 2. 皮膚疾患の病態

最近のSJSとTEN―病態と動向

著者: 山根裕美子1 相原道子1 池澤善郎1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学

ページ範囲:P.42 - P.45

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要約 Stevens-Johnson症候群(SJS)および中毒性表皮壊死症(TEN)は表皮および粘膜上皮の壊死性傷害を本態とする疾患である.その壊死性傷害の機序としては,①細胞傷害性T細胞(CD8+Tcell)による直接的細胞傷害,②IFNγ,TNFαをはじめとした種々のサイトカインによる傷害,③Fas/Fasリガンド系を介した傷害が考えられている.さらに最近,AzukizawaらによりTENに酷似した病態を示すトランスジェニックマウスが作製された.この動物モデルは,表皮由来の抗原を薬剤アレルギーのモデル抗原と見立てた,ケラチノサイトを標的とする自己免疫疾患モデルであるが,その病態は基本的にTENと同じであり,TENが表皮ケラチノサイトの自己抗原と結合した薬剤由来の蛋白,ペプチドがCD8+Tcellに認識されると生じるという仮説に合致する.また,本邦におけるSJSとTENの最近の動向をまとめた.

参考文献

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14) 相原道子, 池澤善郎:日本臨牀60: 322, 2002
15) Yamane Y, et al: Allergol Int(投稿中)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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