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特集 最近のトピックス2007 Clinical Dermatology 2007 5. 皮膚科医のための臨床トピックス
Hansen病の現状
著者: 尾崎元昭1
所属機関: 1国立療養所長島愛生園皮膚科
ページ範囲:P.138 - P.139
文献購入ページに移動要約 Hansen病は抗酸菌Mycobacterium leprae(らい菌)の感染症で,主に皮膚・末梢神経を侵す慢性疾患である.感染・発症・病像には菌と個体の免疫応答が深く関係し,最近は免疫遺伝子学的解明が進んでいる.らい菌の遺伝子はpseudogeneが多く,生存と増殖を宿主細胞(組織球,Schwann細胞など)に依存する.遺伝子変異の研究から菌の型別区分や薬剤耐性検査が行われ,疫学や化学療法に用いられている.治療は多剤併用療法が原則で,治療開始時から障害予防に配慮する必要がある.日本人新患は激減し,Hansen病は稀少疾患となっているが,日本人ならびに外国人新患の診断と治療,回復者医療が皮膚科医の課題となっている.
参考文献
1) 尾崎元昭:日皮会誌116: 1968, 2006
2) 日本ハンセン病学会ハンセン病新患調査班:日ハ病会誌71: 223, 2002
3) 後藤正道, 他:日ハ病会誌75: 191, 2006
4) Ng V, et al: Cell103: 511, 2000
5) Maeda S, et al: Antimicrob Agents Chemother45: 3635, 2001
6) Matsuoka M, et al: Int J Lepr68: 121, 2000
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