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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻5号

2007年04月発行

文献概要

Derm.2007

英語と環境因子

著者: 澤村大輔1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.137 - P.137

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 読者の皆さん方の多くも,英語で論文を書いたり発表したり,外来で外国人の患者さんとコミュニケーションを取ることに苦労したことがおありと思います.でも,最近の若い方は英語が上達したとつくづく思います.なかには本当に,native speakerのようにかっこよく喋る方もいます.最近,講演で聞いたところによると,言語の流暢さは,その言語を3歳までに,遅くとも6歳ぐらいに習得していないと確立されないとのことでした.私は,本物の英語に接したのが留学したときで,すでに30歳をすぎていましたので,自分の英語に流暢さがないのに納得できます.

 私が留学したアメリカのラボは,特に人種のるつぼで,フィンランド人をボスに,アメリカ人,イギリス人,ドイツ人,フランス人,中国人,韓国人などなど,10種類以上の言語が飛び交うラボでした.私の観察では,だいたい来た当時は,みんな英語がうまくしゃべれません.しかし,なぜかヨーロッパの連中はすぐぺらぺらしゃべるようになり,だいたいとり残されるのがアジア系で,そのなかでも中国人の上達が早く,本当にだめなのが韓国人と日本人です.これは,ヨーロッパの言語はだいたいのルーツが同じであるし,主語の後に述語がすぐくる中国語を喋る中国人も学習しやすいのでしょう.ハングル語と日本語は述語が最後に来る構造で,脳がそのような思考に固定されると聞いたことがありますが,なるほどです.これも,私の英語が上達していない理由の一つでしょう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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