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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻6号

2007年05月発行

文献概要

今月の症例

全身びまん性に丘疹を認めた硬化性粘液水腫の1例

著者: 三井田博1 山本洋子1 渡辺修一2

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻細胞機能講座皮膚科学分野 2長岡赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.395 - P.398

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要約 73歳,女性.1997年10月頃より,硬い丘疹が両手背より出現し,徐々に全身に拡大した.2001年6月初診時,頭部から下腿まで全身に丘疹の集簇と皮膚硬化がみられ,特に顔面は獅子様顔貌を,体幹は象皮病様の様相を呈していた.病理組織学的所見で,真皮全層に膠原線維の著明な増生と線維芽細胞の増加を認め,アルシアンブルー染色,コロイド鉄染色陽性物質がみられた.甲状腺機能異常はなく,IgGλ型のM蛋白血症を合併していた.骨髄所見に異常を認めなかった.以上より,硬化性粘液水腫と診断した.同症の本邦報告例25例中,全身に症状がみられる症例は9例みられたが,これらのなかには,丘疹・結節よりも皮膚硬化のみの病変が広範囲である症例が6例含まれている.自験例は全身にびまん性に丘疹が分布し,特異な臨床像を呈したと思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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