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症例報告
角層下膿疱症の1例
著者: 新石健二1 光戸勇1
所属機関: 1福井県立病院皮膚科
ページ範囲:P.403 - P.406
文献購入ページに移動要約 58歳,女性.2000年頃より腋窩に膿疱とびらんの形成を繰り返していた.2006年7月,胸部から上腕にかけて,これらの症状が急速に増悪してきた.水疱は数時間で膿疱に変化,一部は融合した.経過とともに膿疱は破れ,びらんが環状に拡大した.発熱,白血球増多はみられなかったが,軽度のかゆみを訴えた.組織学的には,好中球を主体とした角層下膿疱で,Kogojの海綿状膿疱は認めなかった.膿疱内容の細菌培養は陰性,膿疱部位のPAS染色では真菌成分は染色されなかった.蛍光抗体直接法・間接法は,陰性所見であった.角層下膿疱症と診断し,抗アレルギー薬の内服,ステロイド外用薬にて治療を行い,症状は軽快した.その後,再発は認めていない.
参考文献
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