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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻6号

2007年05月発行

症例報告

背部に生じたグロムス腫瘍の1例

著者: 佐藤寛子1 有馬礼人1 南野道子1 藤沢康弘1 中村泰大1 高橋毅法1 大塚藤男1

所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野

ページ範囲:P.441 - P.443

文献概要

要約 73歳,男性.初診の1年半前に右背部に自発痛を伴った結節が出現した.初診時,右下背部に径4mm大の弾性軟な自発痛を伴った紫紅色結節あり.組織所見は,脂肪織に結合織性の被膜によって境界された腫瘍で,腫瘍細胞は円形の核と好酸性の胞体を有していた.免疫組織化学染色ではvimentin,α-SMA,HHF-35が腫瘍細胞に陽性,S-100蛋白が腫瘍内の間質に陽性であった.以上より,背部に生じたグロムス腫瘍と診断した.背部での発症は珍しく,本邦では自験例を含め14例を数えるのみである.背部の有痛性腫瘍をみたとき,頻度の高い平滑筋腫などとともに本症も念頭に置くべきと考える.

参考文献

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10) 村澤章子, 木村鉄宣:臨皮57: 337, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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