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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻6号

2007年05月発行

治療

エナント酸テストステロン局注が奏効した外陰部硬化性萎縮性苔癬の1例

著者: 相澤浩1

所属機関: 1相澤皮フ科クリニック

ページ範囲:P.469 - P.471

文献概要

要約 55歳,女性.外陰部の掻痒を伴う白色硬化性の局面を主訴に受診した.組織学的に硬化性萎縮性苔癬と診断し,外陰病変部に1ml中にエナント酸テストステロン250mgを含有するテストビロン・デポー(R)の皮下注射を,4か月間で計8回(エナント酸テストステロン総量1,000mg)施行した.治療後には自覚症状の掻痒の改善と著明な色素脱出の改善を認めた.組織学的には真皮上層の浮腫の消失,膠原線維の増生を認め,副作用は生じなかった.本症に対するテストステロンの皮下注療法は,その副作用を考えると慎重な観察が必要であるが,本症の治療法の1つになりうると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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