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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻7号

2007年06月発行

症例報告

下垂体腺腫による糖尿病にみられた色素性痒疹の1例

著者: 康村綾子1 庄司道子1 山下伸樹2 山城将臣3

所属機関: 1みさと健和病院皮膚科 2みさと健和病院内科 3ダーマテック新三郷

ページ範囲:P.506 - P.509

文献概要

要約 50歳,男性.口渇感や倦怠感が出現し,1か月後,前胸部に皮疹が出現し,近医で糖尿病が判明し,精査のため当院を紹介された.前胸部および後頸部に左右対称性に強い(R)痒を伴う網状紅斑を認め,その周囲には紅色小丘疹や小水疱が散在していた.病理組織は,角層下に好中球,好酸球を含む水疱を認め,基底層は軽度の液状変性を呈し,真皮上層の脈管周囲性に小円形細胞や好酸球の浸潤を認めた.また,末端肥大様顔貌で,頭部MRIで下垂体腫瘍の存在が判明した.ミノサイクリン100mg/日の内服では改善がなく,DDS75mg/日に変更したところ,1か月後に色素沈着になった.下垂体腫瘍摘出後,血糖値は正常化し,DDSの内服は不要になった.下垂体腫瘍による糖代謝異常が関与した色素性痒疹と考えた.

参考文献

1) 長島正治, 他:日皮会誌81: 78, 1971
2) 長島正治, 大草康弘:臨皮45: 7, 1991
3) 折原 緑, 他:臨皮50: 9, 1996
4) 三橋善比古, 他:臨皮56: 170, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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