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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻8号

2007年07月発行

症例報告

膀胱上皮内癌を合併した丘疹紅皮症の1例

著者: 新石健二1 平田昭夫2 小林忠博2 光戸勇1

所属機関: 1福井県立病院皮膚科 2福井県立病院泌尿器科

ページ範囲:P.585 - P.588

文献概要

要約 79歳,男性.2005年夏頃より上腕のかゆみが出現し,ステロイド外用にて加療していたが,皮疹とかゆみが全身に拡大,増悪した.初診時(2006年4月)は,体幹は皺に一致して健常皮膚を残し,紅皮症を呈していた.一部には紅色苔癬状丘疹と浸潤性紅斑を認め,丘疹紅皮症と診断した.ステロイド外用と抗ヒスタミン薬,抗アレルギー薬の内服を開始し,悪性腫瘍の精査を施行した.尿細胞診により,Class Vの判定を得た.膀胱鏡,膀胱MRI,DIPにおいても腫瘍の存在は認めなかったが,膀胱生検で膀胱上皮内癌と診断された.膀胱癌の治療のため,BCG注入療法を開始し,かゆみは軽減し,皮疹も軽快した.

参考文献

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11) 奥木弥生, 他:臨皮50: 225, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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