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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻8号

2007年07月発行

症例報告

血液凝固第Ⅷ因子インヒビターによる後天性血友病を合併した尋常性天疱瘡の1例

著者: 入澤亮吉1 福武勝幸2 石井文人3 橋本隆3 坪井良治1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学教室 2東京医科大学臨床検査医学科 3久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.593 - P.596

文献概要

要約 60歳,女性.初診の約5か月前より躯幹および口腔内に水疱が出現し,近医にてプレドニゾロンが投与されていた.減量中に四肢に大型の紫斑が多発するようになり,当院を受診した.水疱の生検組織では表皮内水疱を認め,蛍光抗体法直接法で表皮細胞間にIgGおよびC3の沈着を認めた.血液検査でAPTTの延長,第Ⅷ因子活性が1%未満,第Ⅷ因子インヒビター陽性,ELISA法にて抗デスモグレイン1および3抗体陽性であったことより血液凝固第Ⅷ因子インヒビターによる後天性血友病を合併した尋常性天疱瘡と診断した.本邦において自己免疫性水疱症に後天性血友病を合併した報告は,自検例を含め16例であった.いずれの症例も自己免疫性水疱症が先行するか,もしくは同時発症しており,両疾患の合併に何らかの免疫学的背景が示唆された.

参考文献

1) 嶋 緑倫, 他:血腫瘍28: 404, 1994
2) 嶋 緑倫, 他:血栓止血誌14: 107, 2003
3) 池上隆太, 他:皮膚の科学4: 350, 2005
4) Ishikawa O, et al: Acta Derm Venereol73: 229, 1993
5) 橋本 隆:臨皮53: 73, 1999
6) Shirakata Y, et al: J Dermatol17: 661, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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