icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻8号

2007年07月発行

文献概要

症例報告

喉頭非定型カルチノイド皮膚転移の1例

著者: 八町祐宏1 中藤奈美1 根津公教2

所属機関: 1長野赤十字病院皮膚科 2長野赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.620 - P.623

文献購入ページに移動
要約 70歳,男性.2001年10月に喉頭カルチノイドを全摘した.2003年4月に再発し,放射線療法を施行した.2006年3月から右側頭部,左後頭部に表面が発赤した有痛性の皮下結節が出現した.病理組織で,真皮中層から皮下脂肪織にかけて,表皮との連続性がみられない大きな腫瘍塊がみられた.腫瘍細胞は類円形の大型の核と豊富な細胞質を有し,異型性があり,核分裂像も散見された.特殊染色でchromogranin AとCD56が強陽性,NSEが弱陽性,CK20は陰性であった.以上より,喉頭非定型カルチノイドの皮膚転移と診断した.喉頭カルチノイドは稀な疾患であり,本邦における皮膚転移の報告例は,自験例が8例目であった.

参考文献

1) Soga J: J Exp Clin Cancer Res22: 517, 2003
2) Barnes L, et al: Pathology and Genetics of Head and Neck Tumours, IARC, Lyon, p135, 2005
3) Shanmugaratnam K, et al: Cancer71: 2689, 1993
4) 佐伯忠彦, 他:耳喉頭頸69: 126, 1997
5) Batsakis JG, et al: Ann Otol Rhinol Laryngol101: 710, 1992
6) 蝦原康弘, 他:耳鼻臨床98: 563, 2005
7) Woodruff JM, Senie RT: ORL J Otorhinolaryngol Relat Spec53: 188, 1991
8) Gripp FM, et al: Eur Arch Otorhinolaryngol252: 280, 1995
9) 八田理恵子, 他:日呼吸会誌42: 357, 2004
10) 八坂なみ, 安藤巌夫:皮膚臨床45: 357, 2003
11) 石田良征, 他:皮膚臨床42: 1375, 2000
12) 岡田裕之, 他:日皮会誌105: 1445, 1995
13) 田中昌子, 他:耳喉59: 663, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?