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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻8号

2007年07月発行

症例報告

EBER陽性であった皮膚原発の末梢性T細胞リンパ腫,非特異型の1例

著者: 米井希1 古川福実1 山本剛伸2 岩月啓氏2 米谷昇3

所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科 2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学 3りんくう総合医療センター市立泉佐野病院血液内科

ページ範囲:P.624 - P.627

文献概要

要約 72歳,男性.初診3か月前より,左鼠径部に自覚症状のない索状の皮下硬結と拇指頭大の紅色腫瘤を認めた.皮膚生検の結果,真皮全層に稠密な異型リンパ球の増殖を認め,皮下脂肪織も小型~中型の核を有する異型リンパ球の増殖に置換されていた.腫瘍細胞は CD3+,CD4+,CD8-,CD5+,CD45RO+,CD30-,CD20-,CD56-,CD79a-で,ほとんどがEpstein-Barr virus-encoded small nuclear RNA (EBER)陽性であった.末梢血および骨髄生検で異常なく,全身のリンパ節や他臓器に病変はなかった.以上より,皮膚原発の末梢性T細胞リンパ腫,非特異型primary cutaneous peripheral T cell lymphoma, unspecified (PTL)と診断した.CHOP療法3クールと放射線療法で寛解したが7か月後に同部位に再発し,ESHAP療法と自家造血幹細胞移植で再治療中である.これまでEBER陽性の皮膚原発PTLの報告はない.

参考文献

1) Burg G, et al: J Cutan Pathol32: 647, 2005
2) Wilemze R, et al: Blood105: 3768, 2005
3) 瀧川雅浩, 他:新・皮膚悪性リンパ腫アトラス, 文光堂, p73, 2006
4) Gaulard P, et al: Blood (in press), 2006
5) Yang L, et al: Cancer Res64: 5332, 2004
6) Iwatsuki K, et al: Arch Dermatol142: 587, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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