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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科61巻8号

2007年07月発行

治療

グルタルアルデヒドによる尋常性疣贅の治療

著者: 小松俊郎1 森康記1 高橋和宏1 赤坂俊英1

所属機関: 1岩手医科大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.642 - P.645

文献概要

要約 25%グルタルアルデヒドの外用療法を試みた尋常性疣贅13例の集計と奏効例1例を提示した.本治療は疣贅が特に掌蹠に多発し,液体窒素療法で難治の例を中心に行った.ほとんどの症例はグルタルアルデヒドの外用療法により,1~4か月間で疣贅が消退し,高い効果が示された.奏効した代表例は35歳,女性で,全身性エリテマトーデス(SLE)に対してプレドニン(R)が投与されている両手掌足底の多発性疣贅の症例で,3か月間のグルタルアルデヒドの外用療法で消退した.本治療は副作用として,稀に一次刺激性皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎を引き起こすことがあるため,注意深い経過観察と事前のインフォームド・コンセントを要する.

 グルタルアルデヒドの外用療法は小児例,掌蹠などの多発例に対し,疼痛がなく簡便で効果的な治療方法であると考えた.

参考文献

1) 江川清文:皮膚臨床46: 1799, 2004
2) 松本光博,飯塚 一:皮膚臨床35: 1017, 1993
3) Hirose R, et al: J Dermatol21: 248, 1994
4) London ID: Arch Dermatol104: 96, 1971
5) 清水秀樹, 他:皮膚病診療26: 833, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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